名前の妙

5年以上前の話になりますが、禁煙の成功を願って「電子タバコ」を購入したことがあります。

僕が購入した電子タバコは、タバコでいうところのフィルター部分がカートリッジになっており、カートリッジの中には薬液?が染みこんでいる綿のようなものが入っていて、カートリッジを咥えて吸うと、本体(こちらは充電式で、吸うとタバコのように先端が光るギミック付き)が薬液を煙に変化させて、まるで煙草を吸っているように見える=気を紛らわせて煙草の本数を減らし、禁煙できる、といった具体で売り出されたものだったはずです。たしか、カートリッジ数十本と本体+充電器のセットで一万円くらい。

その効果はといえば、現在も美味しくタバコをいただいている時点でお察し(というか、僕が買ったものは不良品だったのか、煙がほとんど出なかったので、すぐ使わなくなった)なのですが、あえてそんな古い話を持ち出したのにはそれなりのわけがありましてね。

皆様は、VAPE(ベイプ)なる嗜好品をご存知でしょうか。

このVAPEなるものは、電子タバコの見栄えを格好良くしただけのもののように思えますが、なんでもアメリカでは禁煙グッズの領域を越え、香りを楽しむ嗜好品として人気だとか。

海の向こうでどの程度の人気なのかはさておき、なるほどたしかに、「VAPE」という言葉で検索をかけると、ずいぶんとおしゃれな見た目の電子タバコではありませんか。

タバコの形を再現しよう、などという気持ちは微塵も感じられないその姿は、最もタバコに近い形をしているものでさえ、メカニカルな美術品のようでさえあります。

更にこのVAPE、アメリカでは見た目のカスタマイズも行われているとか。本体の形状やカラーリングはもとより、吸い口の形状や長さ、材質なんかも様々なパーツがあるらしく、軽く調べただけでも、メタリックなキセルやパイプのような形状まである始末。

更に更に、電子タバコの肝と言っても過言ではない薬液(VAPEではリキッドと言われているようです)に至っては、さすがに嗜好品として人気というだけあり、タバコ、フルーツ、デザート、ドリンクなど、多種多様なフレーバーが存在しているのです。

レッドブルとかバナナとか、もはや別の意味で身体に悪そうな味まであるのですから、ここまで来るともはや電子タバコ、などというタバコの代替品ではなく、ひとつの嗜好品と言っても過言ではない。まったくない。

しかし、名前というのは不思議ですね。
電子タバコ」と聞くと、おしゃれさも面白みもない、有象無象の禁煙グッズのひとつ、という認識になってしまいますが、「VAPE」と聞くと、見た目も相まってなんだか格好良いじゃないですか。

そんなわけで近々、VAPEを試してみようかな、と思う次第です。

ちなみに、目的は禁煙ではありませんよ。減煙かそれ以下ですよ。強いて言うなら興味本位で買ってみるだけですよ。駄目人間だもの。